子どものムシ歯治療
スマイルデンタルクリニック小児歯科では、お子さまの心身への負担を最小限に抑えるために、独自のトレーニングプログラムと治療回数を短縮する診療を提供しております。さらには、ラバーダムを装着することで、ムシ歯治療の安全性を確保しつつ、再感染のリスクも低減します。
トレーニングプログラム
トレーニングプログラムでは、歯科医院の雰囲気や診療に使用する器具に慣れてもらうことから始め、ムシ歯を治療することの大切さも知ってもらいます。その上で、お子さまが自発的にお口を開けてくれるようになったら歯を削ります。初めてのお子さまにいきなりドリルで歯を削るようなことはしませんのでご安心ください。
治療を短縮する技術
当院では、比較的浅いムシ歯であれば1回、進行しているムシ歯や治療する本数が多い場合でも4回程度の通院で治療が完了します。それはムシ歯治療を短縮する技術を備えているからです。そのため長い期間、歯医者さんに通うことが難しいお子さまでも問題なくムシ歯治療を受けられます。
ラバーダム防湿
治療する歯以外の部分をラバーダムというゴム製のシートで覆う処置を「ラバーダム防湿」といいます。治療中の歯に唾液が入り込むことがなくなるので、衛生的な環境でムシ歯治療を進行できます。また、口腔全体がゴム製のシートで覆われるので、診療器具を誤飲したり、口腔粘膜を傷つけたりするリスクも回避できます。
子どもがムシ歯になる原因
砂糖(スクロース)を始めとした糖質は、ムシ歯菌の大好物です。その糖質が多く含まれるお菓子やスイーツ、ジュースなどを頻繁に摂取しているとムシ歯リスクが高まります。
ごはんやおやつをだらだらと長時間に渡って食べていると、ムシ歯になりやすいです。だらだら食べは、お口の中が汚れている時間が長くなり、ムシ歯菌の活動も活発化するからです。
水分をこまめに補給することは、全身の健康を維持する上でとても重要ですが、スポーツドリンクやジュースの頻回摂取はムシ歯リスクを高めるため十分な注意が必要です。子どもの水分補給は、糖質が豊富に含まれている清涼飲料水ではなく、水やお茶で行うようにしましょう。
ひとり磨きを適切に行えるようになるまでには、相当の時間がかかります。それまでは保護者さまによる仕上げ磨きでしっかりサポートしてあげてください。
乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質の成熟度が低く歯質もやわらかいです。それはムシ歯菌が産生する酸によって溶けやすい状態であることから、フッ素で歯を強くしたり、口腔ケアを徹底したりするといった対策が必須となります。
子どものムシ歯の
見つけ方
子どものムシ歯は、自宅でも
見つけることが可能です。
ムシ歯のできやすい部位を知る
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目
- 奥歯の溝
ムシ歯ができると、白いシミや黒い穴が生じます。子どものムシ歯は大人より痛みが出にくいことから、自覚症状に乏しい点に注意が必要です。
子どもの歯を毎日観察する
仕上げ磨きの際には、上述した部位を毎日、観察するようにしてください。白いシミならまだ治療をせずにムシ歯の進行を止められますが、穴が開いている場合は早急な治療が必要となります。
ムシ歯の進行状態と治療方法
ムシ歯の進行度は、CO~C4の5段階に分けられます。ここではそれぞれの症状と治療方法をご説明します。
【C0】初期のムシ歯
発生して間もない虫歯です。歯の表面に白いシミが出来ているだけで、穴は開いていません。痛みなどの症状もなく、歯垢や歯石と勘違いされる方も珍しくありません。
治療方法
歯の表面にフッ素入りジェルを塗布して、歯の再石灰化を促します。さらに、ブラッシング指導を通じて正しい歯磨き方法を身に付けることで、ムシ歯の進行を止めることができます。
歯の外側を覆っているエナメル質に穴が開いている状態です。エナメル質には歯の神経が分布していないため、痛みを感じることはありません。
治療方法
細菌に感染した歯質を削り、コンポジットレジンを詰めて光で固めます。
エナメル質の下にある象牙質までムシ歯の穴が広がった状態です。象牙質には歯の神経が一部、入り込んでいることから、冷たいものがしみたり、刺激が加わると痛みを感じたりします。
治療方法
細菌に感染した歯質を削り、コンポジットレジンを詰めて光で固めます。ムシ歯の穴が大きい場合は、型取りをして詰め物・被せ物を製作し、装着します。
象牙質の下にある歯の神経まで感染が広がった状態です。冷たいものや甘いもの、熱いものがしみるだけでなく、何もしていない時にも歯がズキズキと痛むようになります。
治療方法
細菌に感染した歯質を削り、歯の神経を抜いて、根管の中を清掃します。根管内の細菌や汚染物質をすべて取り除いたら、根管充填を行い、土台と詰め物・被せ物を装着します。
歯の頭の部分である歯冠(しかん)がボロボロになって、歯根だけになった状態です。歯の神経は死んでいるため、痛みを感じることはありませんが、ムシ歯が自然治癒したわけでなく、依然として感染は広がっています。
治療方法
歯の残せる場合は、根管治療を行って、土台と被せ物を装着します。歯の保存が難しいと判断した場合は抜歯をして、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで補います。子ども場合は、今後の成長も考慮して固定式の装置は避けて、着脱式の入れ歯を選択することが多いです。
FAQ
- 何歳から歯医者に通うのがオススメですか?
- 理想は、最初の乳歯が生えてくる生後6~8ヵ月くらいからです。遅くても乳歯列が完成する3歳までには歯医者さん通いを始めましょう。子どもの口腔内は日々、大きく変化するため、歯科への通院を早期に開始することで心配の種を減らせます。ムシ歯や歯の生え変わりの異常も早期に発見して対処できます。
- 子どものムシ歯は親の責任と言われて落ち込んでいます
- 子どもの歯は、大人よりもムシ歯になりやすいです。どんなに一生懸命ケアしていてもムシ歯になってしまうことはありますので、親御さまだけが責任を感じる必要はないです。当院の小児歯科プログラムに参加していただければ、お子さまのムシ歯も予防しやすくなります。
- 乳歯は生え変わるのでムシ歯を放置していいですか?
- 乳歯のムシ歯を放置すると、永久歯が適切な時期や位置に生えてこなくなったり、ムシ歯がうつったりするため放置しないでください。永久歯の健やかな発育のためにも、乳歯であってもムシ歯はできるだけ早く治療しましょう。
- 3歳までムシ歯にならなければ一生ムシ歯にならないって本当ですか?
- ムシ歯になりにくくなるということはありますが、一生ムシ歯にならないということはありません。具体的には、生後19ヵ月から31ヵ月の1年間は「感染の窓」が開くため、この時期にムシ歯菌への感染を免れると、それ以降、ムシ歯を発症しにくくなることが知られています。ですから、1歳半から2歳半の間は、ご家族からお子さまへの感染予防を徹底することをおすすめします。
- ムシ歯予防にキシリトールガムは効果的ですか?
- 効果的です。キシリトールガムを噛むと、抗菌作用・殺菌作用・自浄作用・歯の再石灰化作用の促進が期待できる唾液をたくさん分泌できるからです。しかもキシリトールはムシ歯のエサにならない代用糖であるだけでなく、その活動を抑える作用も期待できることから、ムシ歯予防に効果的といえます。